『智伯の贈り物』
現代日本語訳

 晋国の名門である智伯が衛国に攻め込みたいと考え、衛の君主に野生馬四匹と白い宝玉一つを届けた。衛君は喜びもひとしお。朝臣一同もそろってお祝いを述べたが、南文子に沈んだ様子が見られた。衛君は気になって問いかけた「大国の覚えもめでたいのに、先生には表情が暗いとは何ごとでしょうか」文子は顔つきが厳しかった「手柄がないときの褒美でも骨折りがないときの謝礼でもしっかり究明しなければならず、おまけに野馬四の白璧一、およそ卑しい小国のご機嫌伺いでございますが、それを大国がうやうやしくやっているのです、わが君はそこのところをお覚悟召されよ」衛君はあわててその警告を国境まで周知させた。智伯がいよいよ出兵して衛を奇襲し、国境まで行きながらも、突然引き返して言うには「こりゃいかん、衛には切れ者がおるようだ、先刻わが秘策をお見通しとは」

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