『応援俳優』
現代日本語訳

 斉が宋国に侵攻した。宋は臧子を使者に立てて、荊(楚国)に援軍を申し入れてみた。荊王はたいそうなご機嫌で使者を歓迎し、援軍を承諾してあまつさえ盛んに励ましもした。使者の臧子はその応援を手土産にして、浮かない顔でとぼとぼと馬車に戻った。御者がいぶかしげに言った「援軍を当たってみてうまく取り付けてきたのに、お顔を曇らせて足取りも重いのはどういうわけでしょうか」臧子は相手をまっすぐに見ながら語った「宋は小さく斉は大きい、いったい小国の宋に味方したばかりに大国の斉と苦しい戦いを演じることになる、それはどこの国にしろ気が重いはず、ところが荊王はえらいご機嫌なのだ。われらを手ごわくする魂胆に違いない、われらが手ごわいほど斉は消耗する、荊王の思うツボだ」臧子は深い溜息を置き土産にして国へ帰った。斉王がいよいよ宋の城五つを陥落させても荊王は出てこなかった。

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