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『情熱の花』

このページの構成

【概要】

原曲: エリーゼのために
作曲: ベートーヴェン
原題: Passion Flower
備考: 
 日本ではカテリーナ⋅ヴァレンテの仏語版を日本語でカヴァーしたザ・ピーナッツ版がヒット。

【解題】

  ー 1959年 情熱の花 ー

 クラシック曲の耳慣れたメロディを現代ポピュラー流に歌いあげるスタイルです。
 カテリーナ⋅ヴァレンテはこの曲をヒットさせた59年から翌60年にかけて、同じパターンの曲をいくつか録音しました。
 ● ‘Tonight We Love’ - チャイコフスキーのピアノ協奏曲から
 ● ‘Full Moon and Empty Arms’ - ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第3楽章から
 ● ‘Till The End of Time’ - ショパンのポロネーズから
 ● ‘The Things I Love’ - チャイコフスキーから
 一方、この曲を日本語で『情熱の花』としてカヴァーしたザ・ピーナッツは一時代を築きました。
 この姉妹デュオの「モスラ~やっ、モスラ~」を知らない人はいません。
 『恋のヴァカンス』が大ヒットした後、彼女たちはヨーロッパへ行き、各地で称賛を受け、以来欧州で一番知られる日本人歌手になったそうです。
 その欧州公演旅行の途中、ドイツではカテリーナ⋅ヴァレンテの番組に出演し、『情熱の花』のお返しに『恋のヴァカンス』を提供したといいます。
 ちなみに、ベートーヴェンの ’エリーゼのために’ は後にザ・ヴィーナスも『キッスは目にして』という曲にしています。
 『情熱の花』よりテンポの速いディスコ調ポップスの『キッスは目にして』も大ヒットしました。
 が、当時、お茶の間でTVを観ている限りでは、ザ・ヴィーナスというグループがどういう経緯で『キッスは目にして』をリリースし、大ヒットさせ、そして何故あっという間に消えてしまったのか、謎でした。
 残ったものは『キッスは目にして』の速いメロディとヴォーカル女性の落下傘スカート(サーキュラー⋅スカート)の記憶だけ。
 なんでも、ザ・ヴィーナスはこれといって音楽の目標も哲学もなく結成されたグループだったようです。
 そのため、結成後も、グループ名やメンバー構成、音楽の方向性が優柔不断に変転したといいます。
 くだんのヴォーカル女性も『キッスは目にして』の直前に加入し、そのころ急遽グループ名もザ・ヴィーナスになったのだとか。
 『キッスは目にして』は試しにアメリカン⋅ポップスでやってみた曲でした。だからオールディーズ時代の落下傘スカートだったのですね。
 では、メロディもベートーヴェンから、また現代流にアダプトするという発想も『情熱の花』から、楽曲製作もアメリカン⋅ポップスからとなると、何がこのグループのオリジナルになるのでしょうか。
 『情熱の花』というヒット曲はベートーヴェンの ’エリーゼのために’ のメロディを現代ポピュラー流に改変したと言われ、実際その通りですが、その言い方はすこし慎重に使われるべきかもしれません。
 『情熱の花』のような改変曲に限らず、たいていの現代ポピュラー楽曲は多かれ少なかれクラシック音楽から何らかの影響を受けているに決まっています。
 そこで、『情熱の花』のような改変曲はクラシック音楽からの影響を明示的に見せているだけだという言い方もできます。
 たとえ話として、なんのための音楽制作かと自問した場合、一般の現代ポピュラー楽曲はクラシック曲からの影響を明示する理由がほぼ無くなるでしょう。
 クラシック曲のメロディは耳慣れているという言い方もできますが、音楽制作の酸いも甘いも放棄し、また音楽制作者の個性に触れる機会も失わせるので、反面では安直・思考停止と言うこともできそうです。
 クラシック曲のメロディを明示的に使うというアイディアは一曲なら目新しいものですが、度重なると目新しいという値打ちも激減します。耳慣れているというメリットも安直・思考停止というネガティブな印象と表裏一体です。
 必ずしもクラシック曲のメロディを踏襲するという楽曲作りはヒットの方程式になりえないのかもしれません。
 クラシック音楽の普及を目的とする以外、大物歌手が多用する手ではなさそうです。
 60年代のカテリーナ⋅ヴァレンテの名カヴァーは60年『ビキニスタイルのお嬢さん(ブライアン⋅ハイランド)』、62年『ヴォラーレ(ドメニコ⋅モデューノ)』、68年『Music to Watch Girls By(アンディ⋅ウィリアムス)』、68年『ハッピー⋅トゥゲザー(タートルズ)』などになります。

May 13, 2016 - サイト管理人

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【 情熱の花 】
 Tout L’amour (French)

 compose: L.V.Beethoven,
 adapt and lyrics: B.Botkin, P.Murtagh, G.Gartfield,
 sing: Caterina Valente - 1959

※ 音量にご注意ください。
【 Tonight We Love 】
 from Tchaikovsky’s Piano Concerto in B-Flat Minor 

 compose: Tchaikovsky,
 adapt and lyrics: Ray Austin, Freddy Martin, Bobby Worth,
 sing: Caterina Valente - 1959

※ 音量にご注意ください。
【 Full Moon and Empty Arms 】
 from Rachmaninoff’s Piano Concerto No.2 in C Minor

 compose: Rachmaninoff,
 adapt and lyrics: Buddy Kaye, Ted Mossman,
 sing: Caterina Valente - 1960

※ 音量にご注意ください。
【 恋のバカンス 】(sample)
 『Vacance de L’amour』 by Caterina Valente

 作曲: 宮川泰
 作詞: 岩谷時子
 仏版: カテリーナ・ヴァレンテ - 1963

※ 音量にご注意ください。

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