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『街の灯』

このページの構成

【概要】

公開: 1931年
製作: チャプリン
共演: ヴァージニア⋅チェリル

【解題】

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 チャプリン映画『街の灯』は1931年作品です。
 製作に3年もの歳月を費やしたといいます。けれども作品を観るかぎり、アマゾンや南極へロケに行ったわけでもなし、手間暇かかる至難の最新技術が駆使されているでもなし、どのへんに3年もの製作期間を要する映画なのでしょうか。
 冒頭、盲目の娘との出逢いのシーンで三百数十回ものNGを出し、途中にチャプリンの半年間の療養もあり、その冒頭シーンの撮り直しが2年に近い時間を食ったそうです。
 異常な取り直しの理由はチャプリンの完璧主義の性格に帰されています。あるいはヒロイン役ヴァージニア・チェリルの演技に対する不満のせいとも言われます。
 しかし本当のところは無声短編映画の時代に名声を築き上げた大御所が新時代の映画製作になかなか対応できなかったのでしょう。
 この映画『街の灯』の頃はもう映像に音声を重ねられるトーキー映画の時代になっています。次にはカラー映画の時代も訪れます。
 無音パントマイム映画で大成功を収めた巨匠には不快でしかない時代変化ですが、しかし変化に抗ってもしっぺ返しを食らって自分が時代に取り残された過去の大御所になるだけです。
 あくまでチャプリン映画の主義を押し通して、この『街の灯』も古風な無声で1時間半ほどのストーリーを展開しますが、全編に音楽を重ねています。映画芸術の巨匠チャプリンとして最大限の妥協だったかもしれません。
 往年の道化師チャーリーがどうにか時代の変化と折り合いをつけた映画『街の灯』は製作費150万ドルに対して興行収入500万ドル、チャプリン映画として相変わらずの大成功を収めます。
 しかしチャプリンの腹の虫は納まるどころではありません。次作が『モダン・タイムス』、その次が『独裁者』と、映画芸術家としての不満を社会批判に転嫁し、とうとう『殺人狂時代』、どこまでひねくれてしまったのでしょうか。
 それらに続く1952年の名作『ライム・ライト』はこの映画『街の灯』と同じく題名に ‘Light’ がつきます。しかし題名だけではありません。
 ── もはや道化師チャーリーは古い地層に埋もれた化石ではないだろうか? ──
 二十数年前に芽生えた不安が主題になっています。

Aug 16, 2016 - サイト管理人

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【 Unveiling the Statue 】
 Overture from "City Lights" - 1931,

 write: Charles Chaplin
 play: Carl Davis and The City Lights Orchestra

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