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中 ソ

このページの構成

【概要】

古典: 『資本論』など
成立: 第2次世界大戦後
備考: このページは特定の政党また経済思想を宣伝するものではありません。

【解説】

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 タイトルの「中ソ」は20世紀の用語、広大なユーラシア大陸の東側半分を南北で二分していた中華人民共和国とソヴィエト社会主義共和国連邦の略称です。20世紀共産主義の二枚看板でした。
 日本語表記において二か国を二文字で略称することはマスコミがはやらせたありきたりな筆法です。日韓や英仏などなど。豪快な例では欧米と言ったりします。
 しかしそれはたんなる略称にとどまりません。二か国の組合せによっては特別な意味や情感などを帯びるれっきとした単語にもなります。たとえば欧米といえば近代先進諸国の別称、そして20世紀西側主義の代名詞でした。
 中ソもまた然り、反対に20世紀東側陣営の二大巨頭であり、脱亜入欧から西側陣営へ進んだ日本の目で見ると理解不能な異域という語感がありました。

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 さて、その中ソという20世紀異世界の最大の謎は共産主義体制だったでしょう。
 共産主義は19世紀ロマン派時代の独国経済学者マルクスによって創始されたそうです。つまりダーウィン進化論やシュリーマン考古学などと穴が同じなのかもしれません。
 ドイツ人のマルクスは大英図書館に通い詰めて猛勉強し、近現代世界の主流である資本主義の欠陥を解明したと言われます。そして共産主義による理想世界を描き出しました。
 それは要するに社会経済論であり、科学論で言えばマルクスが仮説を提出したということになりますから、賛否が巻き起こって然るべきなのでしょう。
 ところが共産主義は賛否両論にとどまらず、いくたの熱烈な信奉者を生み出し、あたかも宗教と化して場所によっては爆発的に発展します。
 その最たる例は東方教会地域に現れ、レーニンらの革命によりロシア帝国がソヴィエト連邦に変わりました。
 続いて大東亜戦争の後に大日本帝国軍から独立した中国もソヴィエトに倣って共産主義を採用します。
 さらに朝鮮戦争で半島北側も近隣二大国による援助のため北朝鮮民主主義人民共和国という自称の共産主義国家になりました。要は赤くなった高句麗です。
 こうして20世紀なかば以降、広大なユーラシア大陸東側の大部分が真紅に染め上がりました。

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 ところで例によって、共産主義という外来の概念についても日本人は理解が中途半端で、時として誤解や誤用もあったようです。
 中ソという略語は国名の略ですから、西側民主主義諸国の対義語として用いても文法上は問題ありません。
 一方で、中ソが代表していた20世紀共産主義政治は経済面のことばなので、民主主義政治の対義語にはならないのです。
 つまり20世紀後半の東西対立とは中ソとNATO加盟諸国の対立ではあったにしても、共産主義と民主主義の対立ではなかったのでした。
 共産主義は経済面、民主主義は政治面です。
 たとえば、ソ連で共産党独裁体制が崩壊して以降、資本主義の優位性や民主主義の勝利という結論が持ち上がり、経済学者マルクスの主著も古典から歴史遺物に仕舞い込まれました。
 しかし一国家の政権倒壊という複雑な現象を経済思想や政治体制という一面的な観点で片付けることが正しいとは思えません。
 むかし、哲学者プラトンが政治思想を練り上げていた頃、都市国家アテネは政治史の最終発展段階である民主主義体制に至っていました。
 アテネもまた、もとは王侯貴族による封建制統治から出発したと言われます。しかし急速に政治が発達し、共和制や独裁制そして僭主制を経て古代民主制に至り、プラトンとアリストテレスにとびきりの研究材料を提供したのです。
 同じギリシア文化圏のライヴァルだったスパルタ、またオリエントの大敵だったペルシアは古い王制を守っていました。
 ペルシア戦争でアテネが世界帝国を返り討ちにすると、何事にも早計性急うかつなヘロドトスは民主主義の勝利だと合点し、主著『歴史』をアテネの中央広場で朗々と発表します。

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 しかしその後、民主制アテネはペロポネソス半島の決戦で王侯貴族制スパルタに敗れ、さらに新興ローマ人にも圧倒され、国際政治の表舞台から消えました。
 経済統制を後退させる中央北京政府と20世紀すら乗り切れずに崩壊したソ連政権、この中ソ2か国の現代史の場合、クセの強いロマン派経済思想書に付き合うことが本当にそこまで必要でしょうか。
 案外、強圧統治は持続しないという古今東西の政治史上に類似例多数の結論で間に合っているかもしれません。

Aug 02, 2018 - サイト管理人

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