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RomeoとJuliet

このページの構成

【概要】

初演: 1595年前後
備考: シェイクスピアの作品中、最も世界的な人気が高い。

【解題】


 シェークスピア作『ロミオとジュリエット』、初演は1595年ころかと推定されています。シェイクスピア劇としては初期作品でしょう。
 シェイクスピア劇はたいてい原作をよそから持ってきます。多くはダンテ神曲以来評判だったルネサンス期イタリア小説でした。英国も日本と同じくたいして広くもない資源貧乏の島国ですから、原材料を輸入して高品質製品にして売るというビジネス⋅モデルが性に合うのです。
 『ロミオとジュリエット』も例によってイタリアものでした。
 とはいえ、この劇作家のイタリアものとして有名な喜劇ベニスの商人などと比べて、全然イタリアらしくはありません。が、ロミオ、ジュリエット、モンタギュー、キャピュレットなどイタリアンな配役名や団体名がめじろ押しですから、けっしてイタリア⋅ブランドをひた隠しにするつもりでもなかったようです。
 喜劇ベニスの商人の場合、当時にわかに地中海貿易で成り上がったヴェネツィアという土地柄なればこそ腑に落ちる笑い話なので、そのローカル色を濃いめに塗り込んであります。
 反対に恋愛悲劇ロミオはロンドンでも近松門左衛門の近所でも米国ウエストサイドでも発生する普遍的な死亡事故です。
 さて、この劇では教会の神父が若い二人の仲を取り持とうとします。この熱心に世話を焼く神父も意外にイタリアンなローカル色の設定でした。
 シェイクスピア劇『ロミオとジュリエット』の原作はミケランジェロやダビンチのころのイタリアで成立しています。そのころのイタリアはルネサンス期、別角度から見ると宗教改革前夜です。すでに教会勢力の内部では対立の構図が抜き差しならなくなっていました。
 後にプロコフィエフの劇音楽が鮮やかに描き出すモンタギュー家とキャピュレット家という抗争団体はそうした宗派分裂のせいで反目し合っています。なにしろ宗教問題はたいてい根深いので、たかだか子供同士の恋愛感情では太刀打ちできるものではありません。
 そこに登場する優しい親切顔の神父。この神父はけっして大人の物分かりで少年少女の色恋を支援しようというのではなく、それがこの人の仕事になるのです。なぜなら、そこまで盲目的に好き合う子供たちですから所帯を持つことが見込めますが、すると対立宗派の少年か少女を一人、自陣宗派に改宗させられます。ばかりか、彼らの間に生まれる子供たちも皮算用できるでしょう。逆にそんな獲物を対立宗派にかっさらわれた場合との出入りは甚大です。
 が、しかし、そうしたローカル色や時代性が濃厚な裏事情を描き切らなかったためにシェークスピア作『ロミオとジュリエット』は大成功したのかもしれません。

Mar 21, 2017 - サイト管理人

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【 Overture-Fantasia Romeo and Juliet 】(sample)

 Composer: Tchaikovsky
 Conductor: Arturo Toscanini
 The NBC Symphony Orchestra

※ 音量にご注意ください。

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