『美女と野獣』

このページの構成

【概要】

分類: conte(お伽噺)
原作: 1740年 フランス
普及版: 1757年 ボーモン夫人
    『子供の雑誌』版
翻案: 映画、アニメ、演劇、バレエ、クラシック音楽など広汎多数
備考: ヴィルヌーヴ夫人の原作コントをイギリス滞在期のボーモン夫人が『子供の雑誌』のコントの一話として改編した版で普及。
角川文庫版など翻訳本の入手は容易。
有名な映画化は1946年のジャン・コクトー監督作品、他にも実写版やディズニーのアニメ版がある。

【解題】

 美しい女性のかたわらに醜悪なものを配置すると女性の美しさが引き立ちます。
 古来よく知られ、よく利用されてきたアダルトな仕掛けです。
 高天原を追放されたスサノオは恐ろしい怪物ヤマタノオロチの人身御供にされるクシナダヒメのはかない美しさに魅せられ、すすんで怪物退治を買って出ます。
 中世の奇獣ユニコーンは処女にしかなつかないとされていました。
 昔のヨーロッパ上流階級の女性はよくガマガエルを同伴し、その醜さで自分の美しさを引き立てようとしたそうです。
 ブランド物やかわいい小物だけではなく、貴女も何かワンポイント、醜い一品を身に着けてみませんか?
 誰でも題名だけは聞いたことのある『美女と野獣』、フランス18世紀の女性教育家ボーモン夫人の著作のなかの最も有名な童話です。
 とある商人の美しく心優しい末娘ベルは運命のいたづらに嵌(は)まり込んだ父親のために、醜悪な野獣の外見を持つ男のところへ行くことになります。芸術家ジャン・コクトーが惚れ込んだという不可思議な屋敷でした。
 醜悪な姿のせいでベルを怖じ気づかせ、しかしそれゆえに紳士よりも優しくベルを気遣う野獣。彼は心優しい娘から愛されないかぎり呪いが解けないのでした。
 病気の父親を見舞うため里帰りしたベルが約束の一週間を過ぎても戻らないので、絶望して餓死しかけていた野獣のもとに、ベルは慌てて駆け付け、とうとう野獣の妻になることを誓います。
 その途端、暗く沈んでいた屋敷にパッと明かりがいっせいに灯り、どこから降って湧いたのかたくさんの花火が打ちあがり、音楽が鳴りだし、お祭りのような賑やかさのなかで野獣はもとの美しい王子様の姿に戻りました。
 海援隊の『贈る言葉』に、「人は 悲しみが 多いほど ひとには優しく できるのだから」と唄われています。
 醜い野獣の姿にされたおかげで優しさの価値を思い知り、ほんとうの美しさを持つ娘に出会えた王子。
 トルストイの言葉に「名作は道徳的・倫理的でなければならない」とあります。
 文学性、道徳性、知名度、この『美女と野獣』はあらゆる面で、グリムの『白雪姫』やペローの『サンドリヨン』やアンデルセンの『人魚姫』などと並び称されるはずの名作童話です。
 ところが題名はよく普及していても、意外に話の内容は認知されていないかもしれません。
 まじめな女性教育家と思春期前の小児たちだけの閉じられたコミュニティではそれほどの用心深さは無用だったでしょうが、下世話な興味に流れやすい世間に広くこの物語が流布すると、何かヘンな仕掛けを作動させ、意図せずアダルトな期待感をあおってしまうためでしょうか。
 モーリス・ラヴェルのピアノ連弾童話組曲『マ・メール・ロワ』では第4曲目がこの『美女と野獣』です。
 ラヴェルは知人の子供たちにその童話ピアノ曲を初演させる算段だったそうですが、まだ弾きこなすには幼すぎたので、かわって大人のピアニストが演奏したそうです。

Feb 14, 2016 - サイト管理人




【 Les entretiens de la belle et de la bête 】
 from Orchestrated “Ma mère l'oye” for ballet
 by Maurice Ravel

Conductor: Seiji Ozawa

※ 音量にご注意ください。
【 4. Les entretiens de la belle et de la bête 】
 from “Ma mère l'oye” for four hands

Composition: Maurice Ravel
Performance: Martha Argerich, Mikhail Pletnev,

※ 音量にご注意ください。

Wikipedia によると——

▶  | 映 画 | ▶  | 俳 優 | ▶  | 監 督 |
▶  | 楽 曲 | ▶  | 歌 手 | ▶  | 作 曲 |
▶  | テレビ | ▶  | マンガ | ▶  | アニメ |
▶  | ゲーム | ▶  | 書 籍 | ▶  | 歴 史 |

▲ ページTop

inserted by FC2 system